真言「オン・マニ・ペメ・フン」
私もよく使うサンスクリット語のマントラ 「オン・マニ・ペメ・フン」は曲に合わせて唱えることができる。 さて、意味を知っていたか? 知らなかったよ。 でも、これを一曲全て唱え終わる頃には 心が穏やかになっていて、いい感です。 ある本の中で見つけたよ。
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真言「オン」は、絶対者の象徴、瞑想の支柱、 個我が宇宙我に至るために使う弓。 「オン」はまた、世界を創造した「創造者」である。 生き動くすべてのものが出す無数の声や叫び、 歌や音をひとまとめに聞くことができれば、 それは「オン」の音で耳に響いてくる。 同じ音は人間の内部奥にも響く。 それを「正しい音」で発音できる者は奇跡を起こし、 目して唱える方法を心得る者は、最高の解脱を得る。
「マニ・ペネ」は「蓮の中の宝珠」を意味するサンスクリット語。 さらにこの真言をなす六つの音節は、 知覚存在の六段階とそれぞれの色に関係すると言われる。
オン=白、天(ラ)に関係。
マ=青で、阿修羅(ラマイン/神々と抗争し続ける邪神)
ニ=黄で、人(ミ)に。
ぺ=緑で、畜生(ツド)に。
メ=赤で、餓鬼(イダグ/飢え乾きに苦しむ、その他のミマイン)
フン=黒、地獄界に関係。
これを絶えず唱える者は極楽浄土に生まれ変わると伝えられている。 六道の存在者たちを、先に述べた色で描かれた六音節とみる。 各音節は、呼吸によって維持され、呼気と共に体内に入り、 吐息と共に体外に出る終わりなき鎖を形成する。 精神集中がより完全になってくると、 鎖がさらに長くなってくるのが見えてくる。
吐息と共に、音節は彼方に運ばれて、再び吸気と共に戻ってくるが、 鎖は切れず、まるでゴムのように伸びて、瞑想者と常につながっている。 徐々に、チベット文字の形は消えてゆく。 そして瞑想行がうまく行った人は、六道節を、六つの種に属する 無数の生き物が生き動き、楽しみ、苦しみ、消えてゆく六道と感ずる。 行者はここで、六道(現象界全て)が主観的なもの、すなわち、 浮かんでは消える心の所産に過ぎないことを識る。
進んだ密教とになると、この手法によって、真言の文字も、 存在者たちも、その動きも、すべて大乗仏教のいう「空」へと帰入する三昧状態に入る。 こうして「空」を悟った彼らは、世の幻影から解かれ、 この結果、自ら作り出した無明の所産にすぎない輪廻からも解放される。
六音を別個に考えず「蓮の中の宝珠」としてこの真言を捉えると、 真言は象徴とみなされ「釈尊の教えはレンゲの中にある」という最も単純な解釈をする。 蓮を心と捉える解釈もあり、人は、観想によって、 心の奥底に、知識と心理、実在、解放、涅槃の知識という宝石を発見する。 ….. と続く。
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